第36章

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今日も社長に呼ばれて社長室に来た。 「失礼します。お呼びですか?」 「すみませんね。呼び出してしまって。姉さんは今日は来ないんですか?」 「はい。今日は華恵李に会うって言ってましたよ。」 「まじかよ。仕事ためといてやる。」 「ほどほどにしてあげてくださいね。」 「嫌だね。休んだらどうなるか思いやらせてやる。」 「楸君、聞いていいか?」 「何だよ。あらたまって。」 「真姫さんが好きなのか?」 「口に何も入ってなくて良かったよ。いきなり何言ってんだよ。兄弟だぜ。」 「シスコンって言葉があるんですからそうだって不思議じゃないですよね?」 「何でそう思うんだよ?」 「勘ですよ。ただの。」 「姉さんを好きな相手がそう思うならそうなのかもな。」 「自分では思わないんですか?」 「さぁ。どうなんだろう。気にしたこと無いし。兄弟じゃなかったら遭遇しないようなタイプだしな。兄弟がちょうどいい。こきつかったり出来ないし。」 「真姫さんは喜ばない台詞ですね。」 「かもな。」 楸君は笑っていた。でも、何となくだが、兄弟じゃなくても出会っていたと思う。で、やりたいだけこきつかってる気がする。
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