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敷地をぐるり囲む煉瓦塀の片隅にある、門柱のインターフォンに向かうと
のばした指が震えた。
これを押しちゃったら、もう後には引き下がれなくなる。
『もうダメならダメで……』
事務員さんも最後には、どんより影背負って呟いてたしな
悩んでても仕方ない。
えい!!
半ばやけくそになって、インターフォンに指を押し付けると
ピンポーン……
呑気な音が響いた。
あーあ、押しちゃった。
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