足音

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Mと別れた後、いつもは自転車を押して登る坂を、気分が良かったからか、珍しく漕ぎながら上っていた。 すると、いつの間にか私の前に白い車が走っている。 ぼーっとしていたから、追い抜かされたことに気がついていなかった。 特に気にもとめず、私は坂を登り続けた。 やっと上りきったとき、数百メートル先にさっきの白い車がノロノロと走っていた。 シグレ 「……?お年寄りなのかな?」 私はその程度にしか思っていなかった。 私の地区はお年寄りが多いし、徐行運転の車なんてしょっちゅう見かけているから。
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