Phase.000

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いつもの様に目覚めたら真っ暗な空間が目の前に広がっていた。 カーテンを閉め切っていたとしてもこんなに暗くもないはずだし、キッチリと目が覚めるくらいに長い睡眠を取っていたはずなのだから、朝日が少しばかり部屋に入ってきてもいいはずである。 私の部屋は朝日が入ってくるから夏場は灼熱地獄と化すはずだし、眩し過ぎて目覚ましなんていらないのではないかと思ってしまうほどのカーテン無しでは些か不便な部屋だったはずだ。 しかしながらそんな輝かしくて爽やかな朝日なんて入ってきていないし、何か壁伝いに歩かなくては足元に転がっている物を簡単に踏み抜いてしまいそうなほど真っ暗な空間。 人間、本当に何も見えないと恐怖で動けなくなるというのは本当らしい。 そんな私の動きたくないという疑心暗鬼も目覚めてからの最初の違和感と何よりも空気がいつも慣れ親しんでいた部屋の雰囲気ではないというのが一番の理由だと思う。 そんな私の硬直状態を見ていたら、自分らしくない。滑稽だと少しばかり自嘲気味にもなってくるが、はてさてどうしたものか…。
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