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動くに動けなくなって数分が経過しただろうか…。
辺りに何か変化があったかと聞かれれば、残念ながら変化は一切無かった。
慎重になりすぎて、いざという時に何も出来ないというのは私が持っている短所で一番コンプレックスを抱いているものであるのだが、この状況でそれがフルに発揮されてしまうのがなんとも腹立たしい。
誰かに観察されているとしたら、さぞ「早く動き出せよ!」と罵声を浴びせたくなるのも我ながら頷けるというのもなんとも悲しい事実ではないか?
そんないつまでたっても動き出せそうに無い私が起き上がって最初の一歩を踏み出そうと決意したのも相当時間が経ってからのことだったのは言うまでもない。
少しばかり歩き出したら何やら液晶画面から発される人工的な光がパッと周囲を照らし出した。
何事かと思い、光源の方向へ目をやると空中にディスプレイが表示されていたのだ。
まるで未来にでも迷い込んだかのようなハイテクな物ではないか。
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