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見間違いだと困るので、少し落ち着いてから「音声読み上げ」の項目に指を置いた。少しの間をあけてからどこからとも無く女声をベースにしたのであろう合成音声が私の周囲に響き渡る。
『当システム【フロンティアワールド】への御アクセス及び登録、誠にありがとうございます。
今回、私どもの提供する新感覚次世代型オンラインシミュレーションゲーム【フロンティアワールド】は従来のような端末を通じてゲームをプレイするのではなく、リアリティやスリルを実感していただくべく、プレイヤーの身体自体をゲーム内に複製し、一時的に感覚を共有してプレイしていただくものとなっております。
尚、当ゲームにおいての予備知識等はプレイヤー間で不公平に当たると判断し、消去させていただいております。
また、プレイヤーには新しい人生を謳歌していただきたい。という我々運営スタッフの心意気としまして、【自身の名称】と【自身の経歴】に関する記憶も消去させていただきました。しかしながら、自身の好みや性癖というアイデンティティに強く関連する記憶はご登録していただいたプレイヤーそのもののままでございますのでご安心くださいませ。』
最初に衝撃を受けたのは言うまでも無く、電脳世界なのか何なのかわからないが、夢のような出来事が今現在進行形で発生しているということだろうか。
自分自身の頬を指で摘んでみても少しの痛みが生じるあたり、夢ではないのだと裏付けているのだろう。
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