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たぶん、と思いながらそう言うけど東雲くんは手を離さなかった。
「でも、ダメ。離さない」
「なっ……」
「だってデートなんだから、手つながないと。……ね?」
「っ」
ふわりとした笑顔にそう言われたらもうなにも言えなくなってしまった。
コクッとうなずくと、東雲くんはうれしそうに笑い、あたしの手を引いた。
「蜜花、なに乗りたい?」
「えっ、東雲くんが決めていいよ?」
「蜜花が決めて。俺、遊園地はじめてだからなにがいいのかわからないし…」
「そ、そうなんだ…。じゃあ……あれとか?」
手をつないでいない方の手で、アトラクションを指差す。
あたしが選んだのは、コーヒーカップ。
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