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俯いた東雲くんの顔を覗き込んだと同時に、背中に手が回って東雲くんに抱きしめられた。
え、え…?
パチパチと何回も瞬きをするが、状況は変わらない。
なにが起きてるの…?
あたし、東雲くんに抱きしめられてる…。
「あの東雲くん?どうして抱きしめられてるのでしょうか…」
「甘い香りがするね。桃の匂い…そそるなぁ」
「し、東雲くん?聞いてる……ひゃあっ」
あたしの問いかけに答えない東雲くんを呼ぶ。
――が、東雲くんはあたしの質問に答えずあたしの首元に顔をうずめてなにかを言っている。
そして、もう一度名前を呼んだ途端――…首筋に、ザラッと舌の感触がした。
舐められたのだ、首を。
東雲くんに。
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