すべてのはじまりは

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そんなものが、この世に存在する? いやいや、ないって。 吸血鬼だなんて、本の中や小説の中でしか見たことない。 非現実的だ。 「信じてないでしょ、桃谷さん。でも本当だよ?俺は吸血鬼」 「そ、そんな非現実的なもの…信じられないよ」 「さっき血、吸ったじゃん。それだけで十分な証拠にならない?」 「で、でも……」 確かに痛みは現実だった。 でも、そんな簡単に信じられないというか。 「まだ信じられないなら、仕方ないね。ちょっと手荒だけど――……許して」 東雲くんのきれいな顔が近づいてくる。 え、 え、まさか……。 「んん……っ」
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