すべてのはじまりは

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抵抗しようと試みたときには、すでに遅かった。 東雲くんの形のいい唇は、あたしの唇とくっついた。 食べられるかのように。 その瞬間に、なんだか体の中に言葉では表せない…… なんというんだろうか、これは。 そんなようなものが体の内に入ってくる気がした。 「し、ののめく……んっ」 スルリと東雲くんのザラッとした舌があたしの口の中に。 なんだろ、これ……。 苦しいのに、気持ちいい。 体がフワフワする。 東雲くんとかわすキスは、まるで媚薬でも仕込まれているかのように、甘い。 「っはぁ…も、ダメ……」 「お疲れ様。桃谷さんは、唇まで甘いね。さすが、俺の果実になっただけあるよ」 「か、じつ……?」
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