すべてのはじまりは

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「……あれ、東雲くん。なんか、顔色悪いよ?」 「えっ」 顔は笑っているのに、顔色はお世辞にもいいとは言えない。 むしろ悪い。 「具合でも悪いの?もしかして、風邪?」 あたしは東雲くんのそばに寄り、おでこに手をあてた。 「ちょ、桃谷さん…」 「うーん、熱はないみたいだね。よかった」 ほんのりあったかくて、ちゃんと平熱。 「熱はないよ。ちょっと、まぁ…ね」 「…?東雲くん?」 「ホント、ヤバイなこの香り…」 ボソッとなにかを呟いた東雲くん。 「東雲くん?どうしたの――…きゃっ」
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