風紀委員長の休養

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「おーい、夜食持ってきたぞ」 コンビニの袋を引っ提げて部屋に入ると 机の上に突っ伏している恋人を発見した。 気持ち良さそうに寝息をたてている。 すーすー 「おーい」 声をかけてみたが、起きない。ハァ。 「…眼鏡したまま寝てんじゃねぇっつの」 彼の顔にかかっているそれを、起きない ようにゆっくり取って机に置いた。 ワイン色フレームの眼鏡はもう彼の代名詞 となっている。 「疲れてんなら疲れてるって言え、バカ」 真面目なのは良いことだが、恋人にさえ 甘えないとはどういう了見だ。 「どうしっかなー」 それにしても、部屋でしか見ることが出来 ない彼の貴重なスウェット姿は愛らしい。 ほーら、皆は見たことねぇだろ。 部屋じゃあこんなダラッとした格好してん だぞ。鎖骨が見えてエロいんだぞー。 今なんかうなじ丸見え。 キスしちゃおうかな。よし、しよう。 シャンプーの良い匂いがする彼の髪。 鼻を潜らせて、大きく息を吸う。 柔らかい髪が当たってくすぐったい。 髪の生え際に口付けを落とすとチュ、と 小さな音をたてた。 「…ん」 「たかちゃんかわいー」 隙ありすぎ。もう。 「俺の部屋ならいくらでも良いけどさ。 …俺以外にこんな弱ってる姿見せんじゃ ねぇぞ?会長には特にだ」 寝てて聞いてない彼に説教をする。 さてさて、ベットに連れてくか。 「ん、いづき…ダメ、だろ。 キャットフードは猫用だ…ぞ。」 「…どんな夢よ」 (ゆっくり休んでよ、たかちゃん) end
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