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譲れない
段ボール箱が何個も散乱したある部屋。
男2人は、なにやら必死に箱から何かを
出して数えていたー
「「…95、96、97、98、99、100…」」
「101!」「103!」
「勝者、菅沢。よっしゃぁぁ!」
「う、嘘だろ…?」
呆然と膝を着く間宮。
「生徒会再興の票が、バレンタインチョコ
の数に繋がったんだろうな。ほら、見ろ。
『前まで会長派でしたが今は風紀委員長様
が堪りません!』だそうだぞ」
これ見よがしに、メッセージカードを
間宮の顔の前に突きつけた。
「くそったれ!八百長だ!」
「負け犬の遠吠えはみっともないぞ。
さーて、罰ゲームは何だったっけなぁ?」
ニヤニヤと菅沢は口角を上げる。
「…くっ」
間宮は顔を逸らし苦々しく顔を顰めた。
「おいおい、恥ずかしがるなよ。
『バレンタインチョコは…わ・た・し☆』
って負けた方が言うってお前が決めたんだ。
ほら、早く言え。楽になるぞ?」
犯人に自白を促す刑事ドラマの場面みたい
に菅沢は楽しそうに詰め寄る。
「…ば、ば」
「そうだ、いいぞ」
「バルス!」
「目がぁ…目がぁって、おい」
「宮崎さんやっぱ凄いよな。
ラピュタもう一回みようぜ」
間宮がDVDを取り出す。
「ムスカ可愛いよな」
予想外に間宮の提案に乗る菅沢。
2人はテレビの前にいそいそと座った。
end
あれ…?なんでこんなオチに…?
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