嘘つきの心臓

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会長がおいといてくれた、ふんわりとした タオルで体を拭く。彼の匂いがして、俺は 思わず顔を擦り付けた。しあわせ。 「変態みてぇ、俺」 思わず出た笑いは驚くほど乾いていた。 … 「コーヒーと牛乳どっちが良い?」 「カフェオレ」 …贅沢な奴だなァと、会長は呟く。 呆れたように、でも優しい声で言うもの だから俺は泣きそうになった。 「…うん。俺、贅沢なの」 会長の心も体も全部欲しいの。 俺だけを見て欲しいの。 「お前さァ、ネコ初めてだったろ」 「え」 俺が、なんでそれを!と驚くと 彼はしてやったりと笑った。 「キツかったし、お前痛そうな顔してた。 俺様の経験値なめんなよ。そんくらい観察 出来る余裕くらいあるさ」 「あっそ」 俺は、会長がどんな顔してるか全く見る 余裕なかったのに。腹が立つ。 「何で誘った」 「…溜まってたし、会長にネコやらせる わけにはいかないデショ。それに俺は快楽 主義者だから開拓するのも良いかなって」 ほら、この口はまた嘘を吐く。 -
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