691人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうか」
俺の言葉に、彼はそれだけ言った。
そして期待外れだと言わんばかりに
溜息をつく。
「なに?俺が会長のこと好きだとでも
思ったの?」
俺はその先を追った。
「俺の勘違いみたいだな」
「会長は自意識過剰だねェ」
ケラケラと俺は笑う。
「ーでも、会長はセックスが上手だから
これからも寝てあげても良いよ」
「なんだもう病みつきか?」
「そんなとこ」
後ろから彼に抱き付いた。
振り向くな、そう強く思いながら。
お願いだから泣いてるのに気付かないでよ。
(どうか、どうか。
この嘘つきの心臓に牙を突き立てては
くれないでしょうか。)
end
最初のコメントを投稿しよう!