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「ねぇ、碧様」
人気の無い廊下で後ろから
声をかけられた。複数の人の気配。
ポケットにスッと手を入れる。
「…無視しないでよッ!」
首筋に何か当たったと思ったら俺の意識は
ブラックアウトした。
…
「間宮様!碧様がいらっしゃらないんです
が、ご存知ないですか?!」
碧とよく一緒に居る副隊長の神原が
俺のクラスに慌てて入って来た。
「いや知らない。何かあったのか?」
尋常ではない様子に立ち上がる。
「…僕がトイレに行っている間に、外で
待っていた碧様がいらっしゃらなくて。
教室にも居ないんです」
どうしましょう、と彼は軽くパニック状態
になっている。
「まず風紀に連絡しよう。監視カメラの
チェックを!」
「何だ、どうかしたか?」
騒ぎを聞き会長も近寄って来た。
「碧が誰かに連れ去られたらしい」
「な、何だと?!」
彼は一瞬で顔色を変える。すぐさま探しに
行こうと、教室を飛び出そうとした。
しかし、その時に丁度入ってこようとした
生徒とぶつかる。
ードンッ
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