片翼の僕ら3

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「すみません」 尻餅をついた2人。黒髪の小さい生徒が 顔をあげた。 ーそれは見慣れた顔だった。 「平凡メガネ!」「碧!」 会長と俺の声が重なる。 「「え」」 俺の言葉に今度は碧と会長の声が重なった。 「間宮様、気付いて…」 今日はメガネの下にある大きな瞳を 零れんばかりに彼は見開く。 「おい、どういうことだ。 こいつは翠だろ?碧は連れてかれてて、」 「…今日は交換日だったのか」 連れてかれたのは翠の方らしい。 「はい」 メガネを外す。長い前髪を右に流すと 見慣れた顔になった。 「…まてまてまて!交換日ってなんだ! さっきまでの平凡メガネが、なんで碧に 変わるんだよ!」 「双子なんです、翠と僕。月に一回だけ 入れ替わっていて…」 彼の言葉に教室もざわつき始めた。 混乱する頭を抑え会長は情報を整理する。 「…じゃあ、あの平凡メガネの方が連れて かれたってことか?」 声音に震えが混じる。 「会長は翠のことを知ってるんですか?」 「あぁ…図書館で、ちょっとな」 心配そうに眉を寄せた。親しい間柄の ようだ。 -
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