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「碧はどうしてこっちに?」
「あ、翠から電話があったんです。
今も繋がってるんですが、」
碧が内ポケットから携帯を出した。
みんな静かにしろ、と会長が言う。
俺らは耳をそばだてた。
『隊長だからって調子乗り過ぎ何だよ!』
『間宮様を独占しすぎなの!』
『そんな事が言いたいが為に、僕をこんな
汚くて薄暗い倉庫に連れて来たわけ?
…この卑怯で矮小な牝猫め!』
『う、うるさい!』
〈パシーンッ〉
『ハァ…誰かに早く助けに来てもらって
手本を見せて欲しいなぁ』
『こんな森の奥に助けなんか来るわけ
ないでしょ?!』
『そうだね。こんな森の奥の倉庫にね』
「…森の奥の倉庫だ。会長、行け」
「しょ、しょうがねぇな」
彼に翠の元へ一足先に向かわせる。
1番行きたそうにしてたから。
彼は渋々立ち上がり、教室を出た。
『平凡メガネ!無事でいろよぉぉぉッ!』
叫び声と共に全速力で走る会長の目撃談が
学園を騒がせるのはもう少し後。
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