片翼の僕ら3

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「碧はどうしてこっちに?」 「あ、翠から電話があったんです。 今も繋がってるんですが、」 碧が内ポケットから携帯を出した。 みんな静かにしろ、と会長が言う。 俺らは耳をそばだてた。 『隊長だからって調子乗り過ぎ何だよ!』 『間宮様を独占しすぎなの!』 『そんな事が言いたいが為に、僕をこんな 汚くて薄暗い倉庫に連れて来たわけ? …この卑怯で矮小な牝猫め!』 『う、うるさい!』 〈パシーンッ〉 『ハァ…誰かに早く助けに来てもらって 手本を見せて欲しいなぁ』 『こんな森の奥に助けなんか来るわけ ないでしょ?!』 『そうだね。こんな森の奥の倉庫にね』 「…森の奥の倉庫だ。会長、行け」 「しょ、しょうがねぇな」 彼に翠の元へ一足先に向かわせる。 1番行きたそうにしてたから。 彼は渋々立ち上がり、教室を出た。 『平凡メガネ!無事でいろよぉぉぉッ!』 叫び声と共に全速力で走る会長の目撃談が 学園を騒がせるのはもう少し後。 -
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