片翼の僕ら3

6/7
前へ
/310ページ
次へ
「肌しっろ」 不躾な視線。 「おいおい、純情ぶんなよ。どうせ間宮様 とヤってんだろ?碧ちゃん」 碧、碧、煩いなぁ。 確かに好きな奴にも気付かれないけど、 「俺は…翠だーーーーッ!!」 ーバッコーンッ!! 音と共に倉庫の扉が消し飛んだ。 「な、何だ!」「誰だよ!」 僕を抑えつけていた生徒が退く。 あぁ。やっと兄貴がきてくれたのか。 「あに、「おい平凡メガネ無事か?!」」 …ん?その呼び方は。 「ば、バ会長?」 砂埃がおさまり、やっと姿が見えた。 (なん、で) なんでバ会長が助けに来るんだ。 彼が僕の方に駆け寄る。彼はホッと息を 吐いた。 「何だ、破られただけか」 「う、うん…」 ジャケットを僕に着せる。 「良かった、間に合ったみてぇだな」 「…一応きくけど俺、碧じゃないの 分かってますよね?」 平凡メガネって呼んだし。だけど、なんで この人はこんなに優しいんだ。 「…ついさっきな。悪い、入れ替わって たの気付かなかった」 「兄貴のこと好きなくせにそれはないと 正直思ってました」 「ちげぇよ」 膝裏と背中に彼の腕がまわる。 軽々と持ち上げられた。 やばい、俺ってばプリンセス。 じゃなくて。 -
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

691人が本棚に入れています
本棚に追加