目覚めのキスはいつですか

4/5
前へ
/310ページ
次へ
「ふわぁ…。」 欠伸を一つ。 ようやく、ちゃんと目が覚めてきた。 良く寝たからか体の調子もすこぶる良い。 「朝飯作るんで、俺のワイシャツとかに 着替えてて下さい。 多分、サイズ一緒なんで。」 そういえばいつのまにか 俺はスウェット姿になっている。 「おい、俺が寝ている間に裸にして あんなことやこんなことをしたんじゃ あるまいな。」 「…なにもしてないです。」 「今の間はなんだ。」 「他意はありません。」 「そうか、何もしてないのか。 少し期待してたんだが。」 「…もう、俺にどうしろと…」 俺の冗談に、本気で途方に暮れた 声で呟く彼。 俺は久し振りに声を上げて笑った。 「わるい、冗談だ。 寝やすいように着替えさせて くれたんだろう?ありがとな。 あ…そういえば、名前。」 聞いてなかった。 「鶴岡です。鶴岡、条(じょう)。」 ジュージューと何か炒めながら 俺に背を向けて返事をする。 細いけど、筋肉がある。スッと背筋は 伸びていて凛とした彼の性格が伺えた。 -
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

691人が本棚に入れています
本棚に追加