こちら、放送局2

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「ねぇコン、何かあったんデショ? お話聞かせてよー」 こっちこっち、と中から手招きされて 僕は靴を脱ぐと窓枠に手をかけた。 … 「ーっていうわけなんです」 「なるほど~」 「そりゃあ、質が悪いな」 先程の出来事を簡単に説明すると、2人は 揃って渋い顔をする。 窓際の壁に体育座りをしてもたれる僕と 椅子に座った先輩たち。 クワ先輩の茶色い髪が風で靡く。 ツキ先輩は月曜、クワ先輩は火曜日の担当 で親衛隊が作られる程にかっこいい。 だから恋愛経験も豊富だろうと、僕は 助言を求めた。 「でもさァ、彼氏さんはちゃんとコンの こと好きなんデショ?なら心配すること ないと思うけどな」 「コンが引いたら取られるよ。 恋人っていう自信を持たなきゃ」 「…そう、ですよね」 僕がこんなんじゃダメなんだ、と先輩の 言葉で気付いた。 (もう宇野先輩から逃げない!) 「すみません、ありがとうございました。 僕、頑張ります!」 ー拳を上げ、勢いで僕は立ち上がった 「あ…いま立ち上がっちゃ…!」 「…森崎くん?」 後ろから、声。 僕は恐る恐る振り向いた。 「宇野、先輩…」 contine.
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