虎視眈々

4/6
前へ
/310ページ
次へ
ー… 「あ!おはよう和谷!」 「…和谷先生、だろ。」 とんでもない奴が来て一週間。 教師を呼び捨てするは 授業は受けずに、生徒会室に 入り浸って親衛隊が激化するわ。 あぁ、そして俺は彼に懐かれたらしく 会ったが最後、離してくれない。 「俺数学苦手でさぁ! 和谷…先生教、えてよ!」 「いや、今日は無理だ。」 「なんでだよっ! この間もそうだったぞ!」 あー…面倒くさい。 柳田との約束があんだよ。 黙ってろ! 「付き合ってるやついるのか?! なぁ、居るなら言えよ!」 腕を掴まれ、上目遣いで見上げられる。 思わず眉間にシワがよった。 …毎日これだ。 どんだけその言葉が 俺を抉るのかも知らないで。 もう、うんざりだった。 …こいつを振り切る為だけなら 良いだろうか。 嘘を吐いても。 一回だけだから、許せよ柳田。 -
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

691人が本棚に入れています
本棚に追加