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「…森崎くん?」
ー弁当箱を提げた宇野先輩が訝しげな顔で
僕を見ていた。
「宇野、せんぱい…」
ーーー
立ち尽くす僕から、視線がずれる。
それは後ろへと向けられた。
「後ろに居るのって、槻山くんと日野くん
だよね?」
ドキッ
背中を冷や汗がたれる。
「用事って2人に会うことだったんだ。
2人とも、すっごく人気あるよね。
そんな人たちとどこで知り合ったの?
仲良さそうだけど」
森野くんて隅に置けないなぁ、なんて
冷え切った声で言う。
困った…完璧に、疑われてる。
でも、
「…う、えと…」
どこで?委員会が一緒で。
なんの委員会?放送部…ダメだ!
一発アウト!言えないよ!
(どうしようどうしよう)
そんな時、目の前がフッと暗くなった。
「こんにちは、宇野くん!いつも見てた
けど可愛いよね~。ね、槻山」
「うん。ずっと思ってた」
先輩2人が僕を隠すように前に出てきて
くれたのだ。
「そ、そんな!可愛いだなんて、」
キラキラオーラ全開の2人に、流石の宇野
先輩もたじろぐ。
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