愛ある暴力なんですか?

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「てめぇ、ちょっと顔が良いからって 調子乗ってんじゃねぇぞ」 廊下をのんびり歩いていると、ちょっと 顔の怖い先輩に、そう切り出され からまれた。 「なんのことっすか?」 にへら、と笑って返す。 「しらばっくれんじゃねぇ。 俺のもんに手出しただろうがッ!」 俺のもんと言われましても。 「ちょっと、身に覚えが…」 「ッてめ!ワタルのことだ! 昼飯一緒に食ってたんだってなァ」 ワタル…わたる…あぁ、渉先輩! やっと思い出せた。 そう、つい昨日彼から誘われたから 一緒に食堂でお昼を食べたんだった。 『鳴海くんお昼一緒に食べよ?』 華奢な体。大きな潤んだ瞳。 柔らかそうな栗色の髪。 計算されたはにかむような笑顔。 色目使ったのはそちらの恋人です… なんて言っても聞かないんだろう。 「いや、でもそれだけ…デスヨ?」 キスくらいはしたけれど。 そのくらいじゃ、手を出したうちには 入らない。挨拶だっていう国もあるくらい だし。世の中グローバルですからね。 「じゃあなんで渉が急に、別れるって言い 出すんだ!てめぇが原因に 決まってるだろッ」 -
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