I am a lazy

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扉が閉まると同時に、パッと手を離す。 すると今度は会長が俺の手を掴んだ。 戸惑う俺に、平然と言う。 「何ってするんだろ?仮眠室行くぞ」 「は?いやいやいや。冗談ですよ」 「この頃シテなかったから溜まってんだ。 俺がネコで良いから、来い」 …男前すぎるでしょ。 「俺、ちょっとそういうの淡白っていうか 苦手っていうか」 「俺じゃ興奮しねぇつうわけか」 ワイシャツのボタンを開けながら 1度舌舐めずりして、俺に見せつける。 色気ダダ漏れさせて彼はとどめに腰を 擦りつけてきた。 やだ何この人、誘い上手。 「待って待って。仕事、どうするの」 「お互いスッキリした後で良いだろ。 …なぁ。俺が、欲しくないのかよ」 彼の瞳を見た瞬間、頭の中で何かが切れた。 言いようのない本能的な衝動に駆られて そのままソファに彼を押し倒した。 鼓動が早い。なんだコレ。 俺の思いもよらない行動に、彼は少し 目を丸くした。 「仮眠室まで待てねぇのか」 「…火ぃ点けたの会長なんで、責任取って 欲しいなァなんて」 首筋に顔を埋めると、くすぐったかった のか会長がふるりと震えた。 最中の合間に唐突に彼が口を開いた。 「今日は初めて見る宮田がいっぱいだ」 「例えば?」 「怒った宮田」 「黙れ」なんて宮田の口から出ると 思わなかった、と彼は笑う。 「…実は自分でも、ビックリしてる。 自分でも知らない自分がいるみたいだ」 汗がポタリと落ちる。 知らないうちに、火傷しそうなくらい熱い ものが俺の胸を占領していた。 end
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