Shall we dance?

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絶望から、机に突っ伏しておよおよと 涙を流す。 そんな俺を冷たく黙って見てた陽介が一言。 「…じゃあ、俺と出るか?」 ポカン、と顔を上げて陽介を見る。 こいつ今なんて言った? 「…え?ごめん、なんて?」 「そんなに出たいなら、俺と出るか って言ったんだ」 それとも耳鼻科行くか?と馬鹿にした ように言う彼が、錯覚だと分かっていても 今は天使に見える。輝いてる。 「マジで?良いの?あんな断ってたのに」 「行きてぇんだろ?どうせお前を誘う 物好きもいないだろうからな」 一言多いよ。傷付くから。 「じゃあどっちが女役すんの?」 パーティーに出るにおいて、重要な点 である。基本的にはタチが男役でネコが 女役をするのだ。 「俺がやると思うのか」 「いや、別にクール受けはなかなか良いと というか大好物…ごめんなさい。 俺がやらせて頂きます」 拳が解かれたことにホッとする。 というわけで、陽介とダンスパーティーに 出ることになりました。拍手。 カップル見放題とかパラダイスじゃね? ティッシュ持って行こう。 「じゃあ、明日15時に俺の部屋集合な」 (ん?15時?) 「ダンスパーティー18時からだよ?」 「…お前まさかその顔で俺と踊る気 じゃねぇだろうな」 あり得ないだろ、と彼は言う。 この顔の何がいけないんですか。 根本ですか。それはどうもすいません でした。 -
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