Shall we dance?

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普段あまり使われない大ホールが このイベントの会場になっている。 まだ30分前だったけど、入り口付近には もう結構人が来ていた。 似合わないドレスを来た男前さんを優しく 微笑んで見るインテリメガネさんのカップ ルとかどっちもスーツのタチカップルさん とか。女の子にしか見えない子のドレス姿 とかとか。 来てよかったと心底思う。 見てるだけで頬が緩んだ。 萌えは世界を救うよね、やっぱ。 受付の前で、壁に寄りかかり陽介を待つ。 通り過ぎて行く人の視線が痛かった。 なんかおかしいかね。 スカート捲れてるとか?いや捲れてないぞ。 挙動不審になる俺をどうか不審者 と思わないで欲しい。 視線に耐え20分くらい経った頃 周りが急にざわめき立った。 会長たちでも来たのだろうか。 いつもよりえらく早いお出ましだと 思いながら、まぁ見物ぐらいして やるかと壁に深く寄りかかる。 周りの注目が集まる中、その人はやっと 人の垣根から姿を現した。 「うげ」 思わず顔を顰める。 「ー…ハル。ここに居たのか」 お前かよ。 人気なこって。お疲れ様です。 こちらに近付いてくる陽介に、目を細める。 慣れてる俺でもタキシード姿の陽介は 輝いて見えました。イケメンって得だね。 「目立ちすぎだっての、陽介」 「周りが勝手に騒いでんだよ」 溜め息混じりに言えばしれっと返される。 憎らしい奴だ。 -
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