Shall we donce?2

3/5
前へ
/310ページ
次へ
「…なんだよォ」 陽介なんてもう知らない、だ。 俺の乙女心を弄びやがって。 彼に本音を聞きたくて。だけど聞きたく なくて。あぁ、ジレンマ。 (おとなしく授業なんて受けてる場合 じゃないんだぜ) 日頃は真面目な俺だけど、お気に入りの BL小説を持って教室をとびだした。 … 古い匂いがする。シンと静かで誰もいない。 そんな落ち着くのにピッタリな場所。 「ビバ、図書室!」 奥の方に置かれたふかふかソファに 倒れこむ。陽だまりの匂い。 「ふはぁ…」 (極楽ってこういうこと) 陽介のことなんてどうでもよくなる くらいだよ。ちぇ、あいつめ。 開いた窓から風が入って、パタパタと カーテンを揺らした。俺の髪もそよそよと そよぐ。 折角本を持って来たのに、なんだか眠く なってきた。睡魔は抗う時間を俺に与えず 瞼を落としてくる。 しょうがなく本を横に置いて、睡魔に身を 任せることにした。 -
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

691人が本棚に入れています
本棚に追加