Shall we donce?2

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… 「…い!は…き、起き、ろ」 「んぅ…」 (誰だよ。煩いな…) 「春樹ーっ!」 「わっ!!」 耳元で大声出しちゃダメって、小さい時に 習わなかったのかしら。 キーンとする耳を抑え、強制的に眠りを 覚まさせた人を恨めしく見る。 「なんだよ、陽介」 「なんだよ、じゃねぇ。てめぇ、こんな とこで何してんだよ」 何故か陽介の髪はだいぶ乱れてて 彼は怒ってるような顔をしてる。 どうかしたのかこいつ。 「何って…」 状況を飲み込めない俺。 あのなぁ!と、普段滅多に荒げない声で 続ける彼に面を食らう。 「あの時の女装が、お前ってバレて親衛隊 の奴らに連れてかれたのかって思っただろ うが!俺がお前と出たいって思ったせいで お前に何かあったら死んでも死にきれねぇ からめちゃくちゃ探 したんだぞ。なのに てめぇはこんなとこでスヤスヤ呑気に 寝やがって…。終いには殴る」 「え、ヤだ。殴らんといて」 勢いのせいで内容がなかなか入ってこない。 思い返して咀嚼する。 …あぁ、なんだァ。 (俺の悩んでたこと全部スッキリ しちゃったじゃん) 思わず、笑いがこみ上げた。 そんな俺を見て、彼は深々と溜め息を 吐いてしゃがみ込む。 -
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