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…
パタパタ、と足音。次第に近付き
勢い良く扉が開いた。
「風紀委員長様が来ます!ちゃんと
寝たふりしておいて下さいね」
何度目かの念押しだ。
なんで皆はこんなにも必死なのか
サッパリわからない。
「はいはい」
「総隊長…お幸せに!」
「え?」
言い逃げして行ってしまった後輩。
もう、僕は君たちがわからないよ。
納得出来ないまま、顔を机の上に伏せる。
そういえばこの前寝顔見られてたんだ。
変な顔してなかったかな。
涎を垂らしてたかも…。
あぁ、恥ずかしい…!
そんなことを思っていると、ノックの音が
部屋に響いた。
(来たっ…!)
「有村、入るぞ」
思わず返事をしそうになるのを堪える。
彼は静かに扉を開けた。
そして、何故か気配を潜めるようにして
こちらに近付いてくる。
緊張で心臓が激しく動く。
「…また寝てるのか」
ついに、頭上から彼の声。
(ひーっ!やっぱり、寝たふりなんて)
恐ろしさに肩が揺れる。
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