素直になれる5秒前2

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彼の独白は続く。 「お前は、良くやってくれてる。 もっと俺に頼ってくれても構わないんだ。 無理して欲しくないんだよ」 (うわ、褒められた。心配された) 日頃言われなれない言葉のオンパレードで 僕の心臓は大変なことになっています。 ひぃぃぃ。 「…あとお前が眠てる間に、言っておき たいことがある。本当は起きてる時に言う べきなんだがまだ、多分無理だろうから」 な、なに、何ですか。 言いたいことって。 (僕の心音が彼に聞こえませんよう に!) そうじゃなきゃ、彼に寝たふりをしてる ことがバレてこの続きが聞けなくなって しまうから。 聞き逃さないように耳に全神経を 集中させる。 さぁ、準備は出来たぞ。 「…有村。寝てるよな?」 「はい!寝てます!」 だから早く! …ん? 恐る恐る顔をあげる。 そこには怒りかなにかで茹でダコのような 顔色をした風紀委員長。 「起きてるんじゃないかーッ!」 「ひゃ!すみませんすみません!」 この後、お説教は暫く続いた。 (あーあ。結局、何を言おうとしてた んだろう) (『『隊長のバカッ!!』』 『あともうちょっとだったのに…』) end
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