治療なんかほっといて

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「宮原先生、なに寝てるんですかーッ?!」 「ひっ!すみませんッ!!」 俺の大きな声に先生はメガネを慌ててかけ 勢い良く立ち上がりわたわたと意味のない 動きを繰り返した。俺はケタケタ笑う。 「…ん?」 先生は今度はしっかり目覚めたようだ。 ピタッと止まって、俺としっかり目が あった。 「どう?俺の教頭先生のマネ」 「…うん、めっちゃ上手い。 だからもうやらないって約束してね」 「心臓が止まるかと思ったよ」 彼はまた椅子に座る。 「タケちゃん、さっき寝ぼけて俺に キスしたんだよ」 「え、うそっ」 「ね。もう一回」 「ダメだよ。ほら…学校だし」 「お願い。もっとスゴイことでも 良いんだよ?」 出来る限りの蠱惑的な笑みで。 白いカーテン。白いベット。真っ白な白衣。 ほら一緒に汚しましょう。 タケちゃんはニッコリして一言。 「…ガキがなに言ってんの。 ほら、足出して。膝怪我してるんだろ」 「タケちゃんのバカ。つまんない!」 「つまんないは傷付くなァ…」 (子供扱いしないでよ!) end
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