狼と犬って紙一重2

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*** 「まさか観月様が空から降ってくるとは 思いませんでした」 「ナイスタイミングだったよ。もう へとへとだったから」 もう鬼ごっこなんてうんざりだ、と 馨にマッサージを受けながら観月は言った。 「にしても、逃げ切れなくて残念でしたね」 「いつのまにか解けたハチマキを最後の 最後にキャッチした奴が居るなんて。 見つけて嫌がらせでもしてやろうか」 拗ねた口調の観月を、馨は苦笑気味に 宥める。 「まぁまぁ。目立ってもあまりよろしく ないですし」 「それもそうだね。にしても、僕が飛び 降りた時の周りの奴らの顔を見たかい? みんなポカーンとしてたよ。 まったく気分が良かった」 「お気に召したようで光栄です」 「馨もとっても格好良かったしね」 それでは…と馨は真面目な顔で言葉を 続ける。 「一日一回やりますか?お姫様抱っこ」 end
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