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「城山って兄弟いるの?」
「…いや、居ないけど」
なんでこの時に嘘をついたのか自分でも
分からない。だけどあながち間違っては
いないと思う。
俺は彼を一度だって、兄だと思ったことは
ないし。
…
「なんだよ城山。また朝帰りか。
朝飯いる時は連絡しろって言ってるだろ
まったく…」
部屋に戻ると、同室の大和が朝飯を作って
待っていた。口うるさいが面倒見のよい
オカン気質の彼にはお世話になっている。
「悪い、忘れてた」
言いながら椅子に座った。
「お前さぁ。もうちょっと落ち着けたら
どうなの」
「どういうこと」
「一人と付き合えってことだよ」
それは…
「無理」
「即答ってどういうことだ。努力しろ」
「無理なもんは無理なんだよ」
本命はいる。しかし、これは倫理的な
問題として。
「つか、倫理的ってなんだ?」
「 人として守り行うべき道のことだろ。
道徳とかモラルとか」
「良く分かんねぇよ、バカ」
「お前がバカなんだよ」
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