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あの人に会うと、熱くて苦しい。
耐えようのない獣のような衝動が襲う。
このエネルギーを分散しないと、全てが
あの人に向いてしまう。そうなったら
もう、抑えられない。
俺は獣だ。
…
「城山くん、なに見てたの?」
「いや…何でもない」
暑い。熱い。
この夏の日に締め切られた窓。
授業中つけられていたクーラーは、放課後
になった今では切られている。
窓に叩きつける雨のせいで、開けることが
出来ないのだ。汗が滴る。
でも、こんなに暑く感じるのはそれだけの
理由じゃないのだ。
「辻井ー!先生が呼んでる」
ドクン。
「今行く」
一瞬にして静まりかえった俺の世界で
その声だけが耳に入った。
意識せずとも自然と視線は彼に向かう。
そして、彼の切望する瞳とぶつかった。
強い衝撃。
光と闇が交差する。
暑い。熱い。
そして突き動かされたように、俺は
駆け出した。
end
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