必需品は吉田くん

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「そういう鈴村はどうなんだ」 吉田に聞かれ、鈴村も思い当たる人を 探してみる。 するとパッと浮かんできたのはなんと吉田。 …まぁ、一瞬にいて落ち着くし料理とか 家事もしてくれるし良いやつだし、でも これってオカン的に好きみたいな。 ドキドキするわけでもないし。 こう、恋ってのはビビッ!キュン!みたい なそんな感じのはず。 と、そこまで鈴村も考え、 「うん、いないわ。取り敢えず吉田が いてくれればそれで良いかな、と」 「おう。俺も同んなじこと思ってた」 「じゃあ、なにも心配することないね。 あ、今日の夕飯なに?」 「青椒肉絲作るつもりだけど」 吉田の提案に、鈴村は目を輝かせる。 「良いねぇ!食べたい。あ、青山もくる?」 なにやら2人を悟ったような目で見ていた 青山。 「…いや、俺は良いよ」 「そっか。残念。吉田の作る青椒肉絲 美味しいんだよ!俺、ピーマン苦手だけど コレだけは食べれるもん」 「お前、好き嫌い激しいからな。 そんなんだからすぐ風邪引くんだよ」 「そん時はすぐ吉田呼ぶから大丈夫」 「風邪ん時のお前、すぐ泣くからめっちゃ 面倒くさい」 「なんだかんだいってお粥はいっつも フーフーして食べさせてくれる吉田が 俺は好きだよ」 「うるせぇ、黙れ」 熟年カップルのような遠慮のない言い合い をする彼ら。 青山は、1人思う。 (お前ら早く結婚しろ!) end
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