美女が野獣

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ここ、小金森学園は全寮制男子高である。 しかし女子制服が何故か存在し、それを身 につけているのは学生全体の2割に達して いるのが現状だ。社もその一人でありその 美貌から群を抜いて目立つ存在だった。 「なぁなぁ、お前社ちゃんと付き合ってん だろ?」 「そうだけど…」 特に仲良くもない奴からこのように話しか けられるのはしょっちゅうだ。 「じゃあよ、夜の社ちゃんってどうなんだ よ。エロいか?」 …こういうこともしょっちゅうだ。本当に どいつもこいつもこういうことしか頭に ないのか。日本の未来を憂う。 「なんで言わなきゃならないんだ」 「そりゃ、皆の社ちゃんをお前が取ったん だから報告の義務くらいあるさ。俺だって 社ちゃんを抱けるなら抱きてぇよ。抱かれ たいランキング3位で剣道部主将の守屋宗 さん、教えて下さいお願いします!」 土下座されようとなにされようと俺は何も 言うことは出来ない。彼の言葉がグサグサ と胸に刺さる。そう、俺は抱かれたいラン キング3位であり剣道部主将という地位。 男らしさ十分な健全な男子高校生だ。 だがしかし、抱きたいランキング1位に君臨 する奴に組み敷かれているのが現実なん です、ご期待に添えず本当に申し訳ない です。 ということを黙秘を続けながら思っている わけだが。 -
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