691人が本棚に入れています
本棚に追加
/310ページ
「唯のとこの親衛隊は
使える子だねぇ。」
「…そう?」
会計の巧から、そんな風に話し掛けられた。
「しかも、ちょ~可愛い。
もう、手ぇ出したんでそ?」
「いや…まだ。」
もう礼央が着任してから三ヶ月経ったけど
そういばそういうことになってない。
「えっ嘘!
そんなことしてると
俺狙っちゃうよ~。」
「…僕の親衛隊だよ。」
「まぁ、良いけどさぁ。
抱かれないってことは副会長のこと
べつに好きで親衛隊になったわけじゃ
ないかもねぇ、礼央くん。
あの子なら有り得そー。」
「…あぁ、そうかも、ね。」
下心のなさそうな礼央は
その可能性もある。
いつもそばにいるだけだ。
…じゃあ、あの子の心はどこにある。
愛おしそうに懐かしそうに、彼は
僕を通して誰を見てる。
俺は彼の電話番号を呼び出した。
「…あぁ、礼央?
今日の夜僕のとこ、来て。」
君は僕を裏切らないんでしょう?
-
最初のコメントを投稿しよう!