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夜中、部屋にノックの音が響いた。
一般的にその事を始める時間帯である。
僕の意図は分かっているらしい。
「こんばんは。」
「…。」
彼の手を無言で引いて寝室に入る。
扉を閉めれば真っ暗な空間になった。
「…唯様?」
動かない僕に、礼央は
不安になったらしい。
「礼央は、僕のこと好き?」
「…ええ、もちろん。
お慕い申し上げています。」
「っ!」
僕は、確かに彼が今
違う誰かを写したことを確信した。
…はっ。
親衛隊如きにこんなに乱されて。
別に、僕はこの子のこと
好きなわけじゃないだろう?
なら、それだけの関係で
良いじゃないか。
感情はいらない。
でも、どうしてこんなに苛立つの。
「…なら、抱かれてよ。」
「はい。」
せいぜい、お前は違う誰かを
思って抱かれてれば良い。
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