白線よりお下がりよ

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*** 合コン当日。俺らは一応外泊届を出し、街に降りた。チェーン店のファミレスで待ち合わせる。4対4で女の子と向かい合って座った。自己紹介も終わり、それぞれ会話を楽しむ。俺は右から2番目の胸の大きくて花柄のワンピースが似合う可愛い子に目をつけた。席替えをして、隣に座り積極的に話しかけるが、その子は風太にどうやら気があるらしい。こういうことは多々ある。風太はもう一人からもアプローチを受けていた。俺に熱い視線を向けてくれてるのは一人だけ。今回も俺の負けかよ。彼は特別なことをしているかと言えばそうでもなくて、ただ相槌を打っているだけなのである。つれない態度が良いのかもしれない。手に入れたいと、人に思わせるのだろう。その気持ちはまぁ分かる。 (でも、面白くない) あの子あからさまに胸を強調して風太に迫っている。可愛いけど、派手なメイクだな。メイク落としたら別人になるんじゃないのか。風太はそういうタイプより、素朴な感じの子が好きだ。残念でしたとせせら笑う。 「宗馬くんてぇ、スノボー上手いんでしょ?私にも今度教えて?」 「もちろん」 「じゃあ連絡先交換しよ」 上目遣いに胸の谷間ご馳走様です。近づくその子からは香水の匂いも。…こういうのはつけなくていいのに。普通に洗剤の匂いの方が俺は好きなんだよな。 -
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