吉田くんと踊ろう

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ダンスが終わってみると、もう足がヘトヘトだった。 「疲れた…けど、楽しかったよ」 「今度、社交ダンス教るね」 踊ってるうちに文田たちとは離れてしまったらしい。この人混みの中では探すのはもう難しいだろう。文田、いい奴だったな、今度会ったら話しかけてみようか。 … 寮に戻った陽介と春樹。 「陽介!トリックオアトリート!」 すっかり忘れてたよ、と手を差し出して春樹が言った。陽介は怪しい笑顔でそれに返す。 「お菓子ない。どんな悪戯してくれんの?なぁ」 「ぐっ…えっと、陽介×吉田くんのエロ小説書いてやる!鈴村とタッグを組んで!」 「悪戯というか嫌がらせだろそれ。でも頼むから絶対やるな」 「うぃ。ねぇ知ってた?あの2人付き合ってないらしいよ」 「…もう結婚してんじゃね?」 「そういうことか」 納得、という顔をする春樹。 「今度どっかであった時、たぶん俺気付かれないんだろうなぁ」 10ヶ月経った今もまだ付き合っていることは周りには秘密にしてある。恋人らしいことができるのは部屋の中だけだ。 「…別にあいつらには言っていいだろ」 「本当?!」 「なんか吉田とも波長が合いそうだし。長い付き合いになるかもだしな」 「最初見たとき、なんかビビッときたんだよね~。話しかけて良かった」 彼らの姿がなんだか昔の自分たちに重なって。思わず声をかけてしまった。関係の名前が変わった今、春樹は思う。 「俺は陽介と付き合えて良かったよ」 「なんだよ急に」 end
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