嘘つきめ

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ー「凛っ!お昼一緒に 食べようよぉー!」 ガラッ、と教室の扉が開く。 …生徒会御一行じゃあありませんか。 「おう!望も行くぞ!」 「いや、俺は、」 お前なんで生徒会と 仲良くなってんだよぉっ! すごい力に引っ張られる。 抵抗してもはずれない。 このままじゃっ! 「「そいつ誰?」」 「友達の望だっ!」 「俺、トイレ。」 まだあいつに顔を見られてない。 脱兎の如く、火事場の馬鹿力 みたいなやつで奴の手を外し俺は逃げた。 「…ハ、ッ、ま、まって!」 息が切れた声で 背後から声が掛かった。 恐々と後ろを振り返る。 「ふ、副会長…。」 「副会長だなんて呼ばないで。」 「…こうや。」 「久し振りだね、のん。」 昔と変わらない笑顔で こうやは笑った。 そう、 あれは初等部の時。 俺が今の"松山望"になる前の "跡部音"だった時の話。 俺と幸夜と透は とても仲が良かったんだ。 -
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