おまけ

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「陽介のメイクアップ技術はすごいから優勝狙えるからさ。護もやるだろ?」 「おい、まずそれ俺に相談してから決めろや」 「…え、ダメなの?」 見る間にシュンとなった春樹に、文田は何かを堪えるように眉間を手で抑えて、声を絞り出した。 「馬鹿、お前いいに決まってるだろ…!」 「だって。ね!四人で出よーよ」 「…文田。お前、意外とチョロいな。 俺は別に構わんぞ」 陽介と吉田の同意を得て、ワーイと2人は万歳をする。 「仮装何にしようか」 「何にしようね」 ワクワクと楽しそうに話し合う2人を見て、溜め息を吐きつつ、頬を緩ませる陽介と吉田だった。 *** 「えーっと、ヤギとオオカミでーす」 ハロウィンパーティー当日。全員のメイクが終わったところで、お披露目となった。 鈴村は頭に角を生やしフサフサの垂れた耳をつけている。服もふわふわとした白いニットに、白い膝丈の半ズボン。小さな尻尾もちゃんとある。そして白いソックスに、茶色のローファーという出で立ちだ。 反対に吉田は黒づくめ。ピンと立った黒い三角耳、黒いタートルネックとスキニーに、灰色混じりの毛皮を模したものを首回りに巻いている。それに加えて生来の目つきの悪さと、装着した尖った犬歯がなかなか雰囲気を醸し出していた。 「あぁ…暴風雨の夜のあの話ね!」 -
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