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ーコンコン。
時計をみると9時ピッタリ。
案外、間宮は律儀な奴だ。
扉を開けてやると制服姿のままの彼が
立っていた。どうせ、今までずっと書類を
片付けていたのだろう。
「入れ」
彼は興味深気にキョロキョロと俺の
部屋を見回す。
「…あぁ、邪魔する」
「飯食ったか?」
「いや」
「…じゃあ、そこに座ってろ。飯作るから」
座布団が敷いてあるところを指差して
そこに座らせた。テレビは?と聞くと
つけなくて良い、と返される。
「というかお前飯作れんのかよ」
せっかくもてなそうとしているのに
失礼な奴である。
「うっせぇ」
食も細くなっているだろう彼に温かい
うどんをと、材料を用意しておいた。
黒いエプロンをして葱を刻む。
そこで彼が一言。
「…エプロンてエロいな」
「ほんと殴るぞ」
うどんを沸騰したお湯で茹でて仕上げに
生卵を中心に割って出来上がり。
「ほれ、食え」
「おお…!」
うどんなんかで感動してるこいつくそかわ。
「んじゃ、いただきます」
そう言って手を合わしてから、恐る恐る
うどんをすすった。んな慎重にしなくても
何にも入ってねぇよ。
一口咀嚼して飲み込むと、パッと顔を
上げた。満面の笑みで言う。
「美味いぞ、これ」
「…そうか。なら良かった」
黙々と食べる彼を眺める。
美味しいと言われるのは、やはり嬉しい。
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