嘘つきめ

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ーそれから翌日。 ダッダッダッ、と何かが 迫る尋常じゃない足音に俺は 思わず振り向いた。 『会長?!』 『誰か探してんのかな?』 『…あんな必死な会長 初めて見た。』 あぁ、くそッ!幸夜め。 彼と目が合った。 「のんッ!!」 廊下に響きわたるくらいの声。 懐かしい声が俺の鼓膜を揺らした。 もう、逃げられない。 「…とおる。」 あはは、乱れた真っ赤な髪。 『とおるは、ひーろー みたいだな!』 『じゃあ、おれは のんせんようのひーろーな!』 未練タラタラかよ。 「「きゃぁぁぁぁッ!」」 ーカシャン。 衝撃でメガネが落ちた。 周りにいっぱい人いるんだけど、会長さん。 でも懐かしい匂いと温もりに まぁ、良いか。と思った。 「…のん!のん! ごめん、ごめんッ!」 「もう良いよ、透。」 「…許してくれるのか?」 「一生、離さないなら。」 「当たり前だ。」 「…頼もしいね。」 そのまま俺らはキスをした。 周りに見せつけるようにね。 -
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