片翼の僕ら

2/5

691人が本棚に入れています
本棚に追加
/310ページ
「ちょっと! 間宮様に色目使わないでよっ! ブサイクのくせにっ!」 「間宮様も迷惑してるのっ!」 「ほんと身の程を知れば?」 小さい生徒に囲まれ 暴言を浴びせられている 地味な少年。 その子は暫く黙っていたけど ポツリ、と呟く。 「…親衛隊の制裁って こんなもんなの?」 それは驚くべきことに 親衛隊を挑発する言葉だった。 「…ッ調子乗らないで!」 パンッ。 頬を叩かれた少年は その勢いで倒れる。 「次こんなんじゃ 済ませないんだからッ。」 「隊長! 何か言ってやって くださいよぉッ!」 ーふむ。 言葉を求められた俺は 少年を視線で蔑みながら 彼の手を踏みつけた。 「…この変態が。」 そう言うと、僕の足に手を 絡みつけてくる少年。 その顔を容赦なく蹴る。 「た、隊長…?」 「君たちは戻りな。 後は僕がやるから。」 彼の髪を持ち顔をあげさせる。 「久し振りじゃん。」 「おぉ、久し振り、碧。 さっきの蹴り良かったぞ。 他の奴は優しすぎるな。 ちゃんと躾とけよ。」 「黙れ変態。」 残念な事実だが この変態は僕の弟だったり。 「碧もなかなか サドっ気あるけどね。」 スパンッ。 -
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

691人が本棚に入れています
本棚に追加