片翼の僕ら

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「ん?」 後ろから足音がする。 「みどりーっ!」 こちらに走り寄る 金髪の少年と、その後ろには 生徒会の方々。 「げ。じゃ、僕行くね。 あの転校生に間宮様に 迷惑かけないように 言っといてよね! それのために来たんだからッ」 そう言い残して、僕は その場を逃げ出した。 ー…間宮様は生徒会で唯一 転校生に落とされなかった けれど、反対に間宮様は 転校生に好かれてしまう。 間宮結城(まみや ゆうき)。 メガネ男子のクールな人。 禁欲的な顔が魅力的。 『いやっ』って言うぐらい こう…甘やかしたくなるような。 「結城さん、コーヒーです。」 「あぁ…ありがとう。」 そして今、彼が一人 生徒会を回してる。 まともに寝て居ない彼は 濃い隈をつくっていた。 「また、寝てないでしょう。」 「…書類が 終わらなかったからな。」 まだ机に向かう彼の 頭を掴んで、無理矢理 僕の膝に降ろす。 「休みなさいって 言ったでしょう? 僕の言うことが聞けない んですか?悪い子ですね。」 溜め息をつくと ビクッと震える肩が愛しい。 「三十分経ったら起こします。 ほら、ね?」 髪を撫でてやれば ものの数分で寝息が 聞こえてきた。 -
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