片翼の僕ら

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…そんな幸せな時間は長く続く訳もなく。 「ゆうきーっ! 仕事なんてやってないで俺と遊べよ!」 ノックもなしに扉が勢い良く開いた。 来たな、転校生。 「…静かにしてよぉ。 間宮様寝てるんだけど。」 起きちゃうだろうが。 「結城はお前のせいで俺と 遊べないんだろッ!解放してやれよ!」 お前のせいで間宮様が 苦労してんだよ、アホ。 「なんかあの…翠君に言われなかったぁ?」 馬鹿弟に伝言頼んだ筈なんだけど。 「あ、やっぱりお前の仕業かよ!翠が 変なこと言うからおかしいと 思ったんだっ!」 変じゃないだろ。普通だろ。 ほんと日本語通じない。 「…間宮様は君のことを 迷惑だと思ってるのぉ。 生徒会室から出てってくれるぅ? …翠、居るだろ。連れてけ。」 扉の影から現れた彼。 「ばれてたか。」 「ちょっと、翠?!」 「あの人怒ると恐いからねー。」 ズルズルと引っ張って 生徒会室から出ていった。 「出て行きましたよ。」 「…あいつは苦手だ。」 可哀想な間宮様。食べちゃいたい。 -
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