あの幸せをもう一度2

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…結局あの夜、彼はなんの抵抗も無く 僕に抱かれた。 僕の中のモヤモヤは増えるばかり。 そして、追い打ちを かけるように転校生が現れた。 他の役員は彼のしりを 追いかけ回し、仕事をしない。 そんな情けない事情を礼央に見せたく なくて手伝いに来てもらうのを断った。 『わかり、ました。 けど、何かありましたら いつでも手伝いに行きます。』 あの時の不安そうな顔といったら。 僕が仕事を出来ないとでも思ってるのか。 くそっ、やらなくちゃ。 期限内に、書類を。 食事の時間も寝る時間も惜しんだ。 だって、書類が遅れるなんて 生徒会にあるまじきことだ。 恥ずべきことだ。 上の人間が、しっかり やらなくてどうする。 『上に立つ者は、庶民の 見本でなくてはいけません。』 そう、誰かがそう言った。 誰だろうか?覚えてない。 最近なような気もするし ずっーと昔のような気もする。 ただ、それが僕が 大切にしなくてはならない言葉だった。 誰かが、教えてくれたのだ。 -
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