あの幸せをもう一度2

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「…あの、副会長様。 お手伝いさして下さい。」 痺れを切らしたように 礼央がそう言ってきた。 「…大丈夫だよ。」 「自分の顔、鏡で 見られました?」 失礼な奴だ。 「毎日見てるよ。」 「食事、まともに なさってませんね?」 お前なんか、僕の心配なんか してないで本命の奴のことを 思ってればいいじゃないか。 そうだ。 親衛隊隊長の分際で。 なんで、僕を見ないんだ。 イライラ、する。 「お前には関係ない。」 「そんなっ、」 僕が立ち去ろうとすると 腕を掴まれた。 それを振りほどいた反動で バランスを崩す。 あぁ、下は… 階段だ。 まともに食べてない身体に 支えるエネルギーなんぞ あるわけなく。 身体が、宙に浮く。 「ーカルディオ様ッ!」 礼央が必死に手を 伸ばすのが、見えた。 …カルディオって、誰だよ。 やがてくるだろう衝撃に 身構え、目を瞑る。 衝撃はあまりに小さかった。 …たぶん。 僕の意識はブラックアウト してしまったから。 -
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